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仙台一高楡の会俳句部 選句及び講評から

仙台第一高楡の会俳句部 選句及び講評から

               赤間 学

 

天 26 梅雨晴間白く大きく月ひとつ

 今年の梅雨は梅雨らしく、長雨が続いていますね。

さらに九州を中心に豪雨被害・洪水被害をもたらしています。

この句はそんな中で、梅雨の晴れ間に、

雨に洗われて塵一つないすがすがしい空に、

白い大きな月が出ているという感動の風景を

詠まれておられます。

何でもない昼の白い月ですが、季語の梅雨晴間によって、

その存在がなんと大きな造花となっている事か。

 たわいもない日常の中から一瞬のひらめき・配合により

非日常を獲得する事も俳句の良いところだと思います。

 俳句とはかくありなんという句ですね。

 

地 52 巴里(パリー)祭魔女か女神か帝都の覇

 「パリーさい」「パリまつり」という言い方もありますね。

1789年バスチューユ監獄襲撃事件を発端としての

フランス革命記念日、七月十四日の事ですね。

作者のドラマチックな出来事の背景を踏まえ、

俳句的展開で表現しようとする意気込みは

凄まじいものがあると思います。

作者の独自性が活かされているかどうかは句ごとに

違うでしょうが。

中七下五の「魔女か女神か帝都の覇」と畳み込む言葉の

リズムと勢いとシニカルさに驚嘆します。

巴里祭は「パリーさい」と読まなければならない語感ですね。

圧倒される佳句ですね。

 

人 2  昼寝して洛陽ほどの夢の跡

 「昼寝して」さあ、どう作句するかが問題ですが。

作者は、 古くから長安と並ぶ中国の都である

「洛陽ほどの」の言葉で覚めて、句になった。

それが「夢の跡」としたので更にその効果が活きた。

雄大で知識欲に溢れ楽しい句ですね。

こんな男気のある句をどんどん期待しています。

所詮、人生は夢の中の出来事であるのであるから。

 

佳作4  白神の葉擦れ聞きつつ昼寝かな

 「白神」とくれば取ってしまう悪い癖があります。

ましてや今、「白神山地」というテーマで、

今年は俳句を製作中である身であるので。

 白神山地の山毛欅の林の葉擦れを聞きながらの

昼寝とは、あこがれてしまうね。

そんなロッジでの生活と金鮎釣りの渓流に過ごせば、

最高だね。

去年 フェイスブックに白神山地に登山している

写真をみたような。

それにしても場面が場面だけに昼寝、それだけでいいね。

 

佳作32 灯りけり青い地球に月見草

 詩情豊かですね。

灯り、それは地球の月見草だねと詩的な表現をされて、

対象を絞った傑作だね。

夕暮れに白妙の花を咲かせて、朝には薄紅をさして

散ってしまう一夜花、月見草の儚さも、

青い地球の儚さと響いていますね。

 

佳作38 空蝉の透きとほる眼を訝しむ

 上五中七の「空蝉の透きとほる眼」という詩的発見がありて、

句を作る切っ掛けになったと思われますが、

下五の「訝しむ」(いぶかしむ)とした事で、

俳句的な評価が分かれるような気がします。

俳句は自分の感情の押し付けでなく、結論でなく、

各人の解釈・鑑賞に期待する文芸のように思います。

そこに余韻も含まれるでしょう。

又、自分の感情の言葉を使わずに、より一般的にわかるように

語る事はできないか推敲する事も大切と思います。

 参考まで

  訝しむ透きとほる空蝉の眼を

  空蝉の眼しつかと透きとほる

 

佳作11 途切れなく窓打つ雨や昼寝覚

  上五中七と下五との二物衝撃、取り合わせ、配合の句ですね。

 途切れなく窓打つ雨や / 昼寝覚

上句と下句との離れ具合がどうかが、ポイントですが、

離れ過ぎているような感じでとらえる向きもありますが、

上級者の技あり俳句の匂いがします。

俳句の本来の姿、意味を追わない事。

新しい昼寝覚の俳句になっていてとてもいいと思います。

 

佳作39 水母に似たり行く末の我が身かな

 こちらは水母のふわふわした姿と行く末の自分の姿

に似ていると感じた時の素直な気持ちを俳句にした

共感のもてる俳句に仕上がった。

 

佳作35 万緑を映すわらべの瞳澄み

 きれいな句ですね。

 万緑の森に遊んでいるわらべの瞳を見るとなんと

まあ澄んだきれいな目だこと感動しことを詠んだ句ですね。

 参考まで

 万緑の中澄みとほるわらべの眸

 

佳作34 杉林蔦のからみし草いきれ

 下五の「草いきれ」は晩夏の季語で、

夏草のむっとする匂いのこと。

「いきれ」とは、蒸れてほてること。

杉林に蔦がからんでいる状態からの連想と思います。

読者を信用して連想逞しく、季語をもっと離れた季語

にした方が良いように思いますが。

 参考まで どの辺を目指すか。

 バンガロー蔦のからみし杉林    近

 仏法僧蔦のからみし杉林      中

 水虫や蔦のからみし杉林      遠

 

 

尚赤間学の投稿句  題 昼寝  皮 雑3句

 

> 昼寝して壺のくぼみのあからみて

 

> 黒革の手帳泉は砂を噴く

 

> 炎火を待つ少年の葉切傷

 

> 大らかに廻る地軸や大西日

 

> 氷雨去る海はひかりの棘に覚め

 

 

 

 

 

 あとがき                    赤間 学

 

 藤井七段が十七歳で棋聖戦勝利、

最年少タイトル獲得記録を更新した。

今の気持ちを色紙に「探求」と表した。

あくなき挑戦心をもって探求する決意のようである。

この「探求」はスキーの三浦雄一郎さんのお父さんも

本人も目指していた事であった。

やはり幾つになっても探求心が必要である。

それを愉しめる人が時代を駈けるのであろう。

徹底的に検証する探究心が重要である。

俳句においてもそうでしょうが。

難しい注文のようであるが。

更に新型コロナ禍の時代、仙台市で十人以上の感染者・

東北工業大学の学生達がクラスターに。

大学が授業しているとは、オンライン授業か、

10月からの授業かとも思っていたので更にびっくり。

そんな中、それなりに俳句で「明るく」

生きていけたらとも思うこの頃である。

 

暗唱句

鶏頭の十四五本もありぬべし        子規

死火山の皮膚つめたくて草いちご      飯田

いくたびか馬の目覚むる夏野かな      福田

子に送られて朝越ゆる夏の川        広瀬

樹といれば少女ざわざわ繁茂せり      金子

蛍のにほひは龍神と母のにほひ       中村

帯へ袂へ指入れてみて祭の子        中村

うす繭の中ささやきを返しくる       平畑

海へ蝉声海からは何も来ず         鷹羽

つき放す鉄扉夏痩はじまれり        林

登りたる山また遠く神となる        山口

走馬燈草いろの怨流れゐる         友岡

一人居の廻燈籠灯を入れぬ         高浜

病み痩せて長き手足や走馬燈        石田

生涯にまはり燈籠の句一つ         高野

黄泉の子もうつせみの子も白絣       能村

頂上や殊に野菊の吹かれ居り         石鼎

夢の世に葱を作りてさびしさよ       耕衣

 

 

>尚  NHk俳句 「月見草」西村和子選、

 赤間 応募の句から

 

>  福島の一夜を灯す月見草

 

>  月見草ほのと原爆資料館

 

>  白妙の源氏の君や月見草 

 

>  忽こつ・と立つうさぎの耳や月見草

 

>  月見草遠き記憶の疼きを

 

>  月見草明日帰るべき息子居り

 

>  月山の沢音聞こゆ月見草

 

>  有線の谺す日暮れ月見草

 

>  月見草大地太古の韻きあり

 

>  コロナ禍に独りの暮し月見草

 

>  月見草見えざる水にそよぎけり

 

>  月見草しばらくは白妙にして 

 

>  松島に月白妙の月見草

 

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