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柏原眠雨第五句集「花林檎」を読む

柏原眠雨第五句集『花林檎』が寄贈された。

              本阿弥書店

 

            鑑賞 赤間 学

 

 

> 復旧の鉄路に汽笛花林檎    眠雨

 

「きたごち」主宰柏原眠雨が

「炎天」「草清水」「露葎」「夕雲雀」に続き、

第五句集「花林檎」を上程された。

 平成二十六年から二十九年までの四年間の

三百二十二句の句集である。

掲句は明るい句として句集の名の由来になった。

 

あとがきによると

「花林檎」は二十八年三月の第五十五回俳人協会賞受賞

(句集「夕雲雀」)の時期と重なる中、

俳誌「きたごち」主宰として二十五周年「三百号」、

「きたぎち俳句歳時記」、随筆「風雲月露」等の

原稿依頼と作句要請が急増し多忙であったが、

北海道から沖縄まで旅をし充実した期間の作品群である

 「花林檎」の鑑賞として句の中の特異な言葉を拾ってみた。

「哲学科」「ラテン語ゼミ」「讃美歌」「旧新約聖書」

「オスプレイ」「嘉手納基地」「射爆場」

「津波禍」「帰還困難区」「白洲邸」「徐州」

「六区の映画館」「競馬予想」「ハム工場」

「初場所」「農協」「海坂藩」

「政宗」「信長」「吉良さま」「実方塚」等

現代の課題や歴史への関心の幅が大変広い事に気づかされた。

 

本句集を読み終えて私は俳句 

はなんと軽やかなる文芸であるかを学んだ。

更にその円熟味を垣間見ながら、

将来の自分の俳句の指針を得ることになった。

 

 心に滲みいる珠玉の作品から

 

鳥帰る被災の町のラヂオ局

 

山に向き海に向きして麦を踏む

 

人の住み始めたる町花辛夷

 

風薫る胎内くぐり抜けてより

 

新緑やガラスを溶かす火の匂ひ

 

天平の礎石十四五蛇苺

 

しばらくは裏見の滝の音の中

 

茶の花に午後の日射の戻りけり

 

初礼拝女牧師の黒スーツ

 

土の色変へつつ田打進みけり

 

滝壺からまた滝となり落ちにけり

 

芭蕉忌の仏事に耶蘇の徒の二人

 

津波禍の畦にぞくぞく土筆生ふ

 

鳥渡る津波に耐へし松まばら

 

秋澄むや平和の礎読み歩く

 

花の絵のどれも明るき種袋

 

補植の足抜いて仕上がる植田かな

 

地下街は灯の海十二月八日

 

 

 このコロナ禍の新しい生活様式が

求められる時代、

名誉教授の今後のご健勝と益々の

ご活躍を祈念申し上げます。

 

 

>新型コロナ 緊急事態 全面解除 間近か

 

>尚 第五十回宮城県俳句大会(4月29日コロナ禍で中止)

 事前応募句の入選結果の郵送がきたので

 

>高野ムツオ選 (河北新報社 俳句選者)

         小熊座主宰 現代俳句協会会員

 特選一席 雛飾る眼裏にまた黒き波佐藤織泉 (河北新報賞受賞)

   二席 蝶々も虻もかたりべ震災忌 内山かおる (小熊座)

   三席 犬ふぐり二万の霊の一つ一つ 平山北舟 (小熊座)

 

>西山 睦選 (河北新報社 俳句選者)

       駒草主宰   俳人協会会員

 特選一席 大鷹の命ひとつを掴みけり 赤間 学    (滝)

   二席 地震の地も洪水の地も種浸す 伊藤一男   (河)

   三席 三月十一日声なきものも声を出す 平山北舟 (小熊座)

 

>渡辺誠一郎  (朝日宮城版 俳句選者)

      小熊座編集長  現代俳句協会会員

 特選一席 三月十一曇りがちなる老眼鏡 石の森市朗 (小熊座)

   二席 樹々の気の一息ごとに木の根開く 前田礼子  (無)

   三席 冬の空戦争ないから青いのです  鈴木与平  (無)

   入選 寒鯉の寒鯉として動かざる    赤間 学  (滝)

 

>蓬田紀枝子選 駒草顧問 俳人協会会員

 特選一席 啓蟄や錆美しき父の鍬  伊藤一男     (河)

   二席 声かけて眼差し遠き雛を抱く 佐藤みね  (小熊座)

   三席 休校の長き廊下や野火煙る  鈴木勝也   (無)

 

>坂内かな選 「河」仙台支部長 現代俳句協会会員

 特選一席 鳥帰る移動図書館雲雀東風 佐々木和子   (饗宴)

   二席 桜山ゆすりて赤子泣きにけり 土見敬志郎  (小熊座)

   三席 永き日のははをまるごと洗ひあぐ 遠藤玲子 (滝)

 

>成田一子選 「滝」主宰  現代俳句、伝統俳句協会会員

 特選一席 山羊の眼に佛性宿る四温かな 鈴木三山    (滝)

   二席 医師いつも横顔バレンタインの日 小泉 潤  (饗宴)

   三席 大根煮て月に水ある話かな  小国 さと子  (幡)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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