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6月5日(水)陸奥新報に句集「福島」木村詩織書評掲載

>6月5日(水)陸奥新報12面に句集「福島」木村詩織書評掲載。

 

> 書評

 

「淵に立つ人」の祈り

  赤間 学句集「福島」    木村詩織書評)

 

 

> 赤間 学さんが第一句集「福島」 (朔出版)を上梓された。

   何かの手が「福島」への愛と祈りを俳句にし、世に送り出した。

 

   

    先日、50年振りに仙台でお会いした。

 

         俳句集に纏う風を感じたかったからだ。

 

    彼は団塊世代で、弘前大学農学部農業工学科卒。

 

    共に創生期の弘大フィル、弘前オペラ、青森県作曲家協会等

 

    での仲間であった。

 

    高校から俳句に親しみ、同人誌「飛土」「斜坑」を経て

 

    平成4(1992)年俳誌「滝」(故菅原鬨也主宰、現娘成田一子主宰)

 

    に入会、現在編集部長をされ、また仙台一高楡の会俳句部会員50名

 

    の宗匠という立場にある。

 

 

 

> 句集「福島」は「暮れゆく秋は(東日本大震災以前)」「以後」

 

  「福島の今(日本伝統俳句協会賞佳作一席受賞作品含む)」

 

   の三章形式だ。

 

 

> 帯文より「福島の火蛾にならねばならぬかな」と標し、

 

  港湾中心の土木技術者(日本港湾空港建設協会連合会元理事)

 

  、東日本大震災では八戸港防波堤等の手がけた建造物が一瞬に

 

   崩壊し、大きな葬失感に襲われた、と記している。

 

 

> 先の仙台一高楡の会俳句部推薦句10句が挙げられ、ここでは一部

 

  紹介したい。

 

 

    あの日より水仙は我が地震の花

 

 

    床に膝給ふ行幸夏の月

 

 

   一行の詩の祈りや冬の星

 

 

> 東日本大震災以前の句を拝読した、なんと自由なことか。

 

 

  ゼロといふ数の発見春の水

 

 

  暮れてなほ暮れゆく秋やみちのくは

 

 

  捨玩具るりいろといふすぐれかな

 

 

> 津軽との往来も多い。津軽を俤として詠んだ句には

 

 

   桜又桜又又桜又

 

 

   グッド・バイの代はりに投げし林檎かな

 

 

> 著者が俳句の「定点観測地点」とするふるさと松島、松島芭蕉祭では、

 

   松島は光の器小鳥来る

 

  

   旅にゐてなほ旅を恋ふ翁の忌

 

  

   

> 港湾土木技術者として現場の海の句には

 

 

   夕焼を使ひ切つたる作業船

 

   福島は福島であれ夏の海

 

 

> 東日本大震災への慟哭、午後2時46分に時間を止める。

 

   春恨や海のめり来る逃げて逃げて

 

   文字のなき紙一片や牡丹雪

 

   春蝉の死や少年の喉仏

 

   大海にセシウム洩るる炎暑かな

 

   背高泡立草被曝校舎に浪の音

 

   影踏の影なかりけり鳥雲に

 

 

> 復興再生を目指し、家族とみちのくへの深い愛情と誇り、

 

  そして今を挙げる。

 

   迪花(みちか)生まれ来て海の底まで春

 

   福島のあしたの空へ菊根分

 

 

> 津軽は新緑の季節になった。

 

  「眼下つがる肩離れゆく夏の蝶」(句・加藤楸邨、作曲・川村昇一郎)

 

  津軽の広大な田園風景を歌ってきたばかりだ。福島の一日も早い

 

  復興を心からお祈りしたい。

 

  此岸俳句会会員、陸同人、現代俳句協会会員。

 

   

  

 

 

  

  

  

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  

 

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