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句集「福島」2009年代

>5月12日に大学時代の音楽仲間、現在ねむの会代表

 弘前オペラ等で活躍している知北直美さん(俳号 木村詩織)

 と仙台市で50年ぶりにお会いした。

 陸奥新報社(弘前市)へ句集「福島」への批評記事を掲載するために。

 それが6月5日朝刊に掲載されるとのメールが届いた。

 御苦労かけてしまったが、大変うれしい。

 音信のとれてない人々も多いので、連絡があるかもしれない。

 

 

>句集「福島」2009年代

 

> 新春の空に志功の天女かな

  (しんしゅんのそらにしこうのてんにょかな)

 

> 鬼怒川の光る魚道や寒明くる

  (きぬがわのひかるぎょどうやかんあくる)

 

> マンモスの凍解進む地球かな

  (マンモスのいてどけすすむちきゅうかな)

 

> 春かもめ河口に浪の逆巻けり

  (はるかもめかこうになみのさかまけり)

 

> 路地裏の芥積む舟花は葉に

  (ろじうらのあくたつむふねはなははに)

 

> はつなつの汐満ちきたり芭蕉像

  (はつなつのしおみちきたりばしょうぞう)

 

> 朱夏の雨何処ぞで逢ひし阿修羅かな

 (しゅかのあめどこぞであいしあしゅらかな)

 

> 下町の火消纏や立葵

  (したまちのひけしまといやたちあおい)

 

> 青田より出で来る鷺の二つ三つ

  (あおたよりいでくるさぎのふたつみつ)

 

> 打水を了へて子らにもかけてやる

  (うちみずをおえてこらにもかけてやる)

 

> 万緑や人形は眼を開きしまま

  (ばんりょくやにんぎょうはめをあきしまま)

 

> 蝉時雨古りて綿ばむ紬糸

  (せみしぐれふりてわたばむつむぎいと)

 

> 八重洲の鐘や板前の夕涼み

  (やえすのかねやいたまえのゆうすずみ)

 

> 西瓜番小石飛び来る夜の小屋

  (すいかばんこいしとびくるよるのこや)

 

> 貝合の尼門跡の桔梗かな

  (かいあわせのあまもんぜきのききょうかな)

 

> すれ違ひざま秋刀魚零るる埠頭

  (すれちがいざまさんまこぼるるふとう)

 

> 山芋と鯨煮てゐる囲炉裏かな

  (やまいもとくじらにているいろりかな)

 

>この時代は 利根川への橋梁工事、

 鬼怒川の右岸堤防、水門工事(常総市花島町)をしていましたが、

 2016年(昭和27年)6月13日の鬼怒川氾濫の堤防

 決壊はこの工事の500m程上流の左岸(私の工事の反対側)

 国の下館河川事務所の出先や常総土木事務所側、国道357号線側

 現園央道の付近、で大水害に遇いました。左岸工事の補強工事計画が

 遅延していたようですね。

 

>2010年代

 

> 吾輩は爬虫類なり松の内

  (わがはいははちゅうるいなりまつのうち)

 

> 寒雀翔ぶや蛤御門より

  (かんすずめとぶやはまぐりごもんより)

 

> つばくらめ低し隅田の十二橋

  (つばくらめひくしすみだのじゅうにきょう)

 

> 菖蒲湯を焚きて訣れのあることを

  (しょうぶゆをたきてわかれのあることを)

> 早乙女の水を濁して植ゑにけり

  (さおとめのみずをにごしてうえにけり)

 

> 青嵐修司詩集をポケットに

  (あおあらししゅうじししゅうをポケットに)

 

> 鶴嘴の飛び散る火花百合の花

  (つるはしのとびちるひばなゆりのはな)

 

> 木簡乃以呂波仁保部止梅雨晴間

  (もっかんのいろはにほへとつゆはれま)

 

> 地のこゑの高(恭造田水湧く

  (じのこえのたかぎきょうぞうたみずわく)

 ※弘前市の眼科医、方言詩人。

 

> 山の子の山動かして泳ぐかな

  (やまのこのやまうごかしておよぐかな)

 

> 朝の蝉洗ひ晒しのシャツを着る

  (あさのせみあらいさらしのシャツをきる)

 

> いつまでも父の影ある大暑かな

  (いつまでもちちのかげあるだいしょかな)

 

> 竹筏曳く一艘や夏燕

  (たけいかだひくいっそうやなつつばめ)

 

> 地球儀の海に漕ぎ出す冷し酒

  (ちきゅうぎのうみにこぎだすひやしさけ)

 

> 嫁ぎゆく娘と旅やアロハシャツ

  (とつぎゆくむすめとたびやアロハシャツ)

 

> 爽やかや誘導灯に浮かぶ闇

  (さわやかやゆうどうとうにうかぶやみ)

 

> 露けしや月の裏側見て還る

  (つゆけしやつきのうらがわみてかえる)

 

>  陸奥のむかさり絵馬や秋の虹

  (みちのくのむかさりえまやあきのにじ)

 

> もう鮭のかたち留めず流れゆく

  (もうさけのかたちとどめずながれゆく)

 

> いま語りはじめたばかり後の月

  (いまかたりはじめたばかりのちの月)

 

> グッド・バイの代わりに投げし林檎かな

  (グッド・バイのかわりになげしりんごかな)

 ※グッド・バイは太宰治の最後の未完の小説。

 

> 鼻先に航空母艦大根引く

  (はなさきにこうくうぼかんだいこひく)

 

> 神々の意とは異なる海鼠かな

  (かみがみのいとはことなるなまこかな)

 

 

>2011年代

> 初春や海を真横に一輪車

  (はつはるやうみをまよこにいちりんしゃ)

 

> 縄文人の骨の飢餓線冬銀河

  (ぼうもんじんのほねのきがせんふゆぎんが)

 

 

>そして 2011年3月11日14時46分 時計は止まったままだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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