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青森市の田中恵美子さんより 句集の講評のお手紙あり

>私の音楽仲間の木村詩織さんから句集「福島」の紹介があったとの事。

 

>赤とんぼ空に無数の穴あけて

 

 雪はみな闇より生るる月の山

 

 風花や沈黙の空語りだす

 

 心なしか空開いてゐる夕立前(ゆだちまえ)

 

 水甕の上とや蝶の能舞台

 

 冬銀河鎮かに海へ降りてくる

 

     詩情豊かな美しいです。

 

>十八歳の己に出会ふ修司の忌

 

 甚平着て晩年といふ軽さかな

 

     ひとりの中に同時に存在する 十八歳と晩年

 

>迪花(みちか)生まれ来て海の底まで春

 

 春の日や生きるものへと水動く

 

      春のエネルギー 命の源 ダイナミズム

 

>夜までに少し闇のある虫のこゑ

 

 奥山の樹になるまでの日向ぼこ

 

 山里や野積の藁に日のうねり

 

          瞬間の切り方が心象派

 

 

>海のうねりは子守唄牡蠣育つ

 

 俎に海を吐き出す海鼠かな

 

 海鞘喰へば微かに動く蒙古斑

 

          海の存在感

 

>立春の児の歩き出す地球かな

 

 逃げる子を叩くも楽し天花粉(てんかふん)

 

 打水を了へて子等にもかかけてやる

 

           子供への愛情

 

>封鎖してジャングルジムは灼けてゐる

 

 時雨るるや被曝ノートにある余白

 

 春恨や海迫りくる逃げて逃げて

 

 決壊の溜池ぬらす蛍かな

 

 秋天や福島ざぶざぶ洗ひたし

 

 原発事故へ遭へどなほ鮭遡上

 

 里神楽海に呑まれし魂も来よ

 

 除染後の墓地に冬日の移りけり

 

 一行の詩の祈りや冬の星

 

 去年今年消してはならぬ村ひとつ

 

 白鳥帰るいまだ不明者ゐる海を

 

 種芋を歩幅に合はせ植ゑにけり

 

      あの時、そして時を経て 地球に住まわせて貰っている人間は

      思い上がらづ、自然への畏怖の念を忘れずに、

 

 

>読んで頂き、ありがとうございました。

 

 

 

 

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