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嶋田麻紀主宰「麻」通巻六一五号 三月号「句集散見」句集「福島」の紹介記事掲載

▼嶋田麻紀主宰「麻」通巻六一五号 三月号「句集散見」にて玉生志郎氏による赤間学第一句集「福島」の紹介記事。

 赤間 学氏は俳誌「滝」平成四年創刊時同人.

帯文に句集名「福島」に因んだ句「福島の火蛾にならねばならぬかな」があり、又東日本大震災により、永年手がけてきた港湾施設が一瞬にして崩壊して喪失感に襲われた事。震災後、縁あり復興・再生事業に従事しながら、近年は福島についての句作を重ねている事。いくらかでも「今」の福島を切り取っていれば幸いと作者はいっている。

 句集の中から感銘句を列挙する。

子供に対する句

  通草提げ径広げ来る子らのこゑ

  打水を了へて子らにもかけてやる

  逃げる子を叩くも楽し天花粉

父への思いの句

  いちめんの菜の花父の肩車

  藁を綯ふ掌厚き父想ふ

地球史や歴史を詠んだ句

  向日葵や土偶は並べて女なり

  マンモスの凍解進む地球かな

  木簡乃以呂波仁保部止梅雨晴間

  縄文人の骨の飢餓線冬銀河

  荒星や砂に埋もれし古代都市

  初燕ジャガタラ文の走り書き

東日本大震災を詠んだ句

  炊出しを知らせる鉦や梅真白

  能面を脱げず脱がざる凍てし春

  春灯し指差す津波到着点

その他の感銘句

  枯芒昭和は馬に乗つて来る

  海原を洗ひあげたり夕月夜

  黒胡麻をずりずり摺つて野分かな

  天地の間合を計り弓始

  太陽の黒点蛇の交むなり

 福島を詠んだ句の中から、特に印象深かった作品を以下列挙する。まさに今の福島の姿を確と切り取っている。

  被曝の町の泡立草と信号機

  被災者の戻らぬ町の無月かな

  冬日抱き白き服行く廃炉棟

  夏草や被曝の牛と生かさるる

  曼珠沙華核廃絶のほむらとも

  あの日より水仙は我が地震の花

  床に膝給ふ行幸夏の月

  秋天や福島ザブザブあらひたし

  里神楽海に呑まれし魂も来よ

 

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