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句集「福島」 第二章 2011年後半

>土器に箆の痕あり稲の花

 (かわらけにへらのあとありいねのはな)

>黒胡麻をずりずり摺つて野分かな

 (くろごまをずりずりすってのわけかな)

>鎌池と鉈池とあり紅葉山

 (かまいけとなたいけとありもみじやま)

>秋の日や蔵の漆喰地まで塗る

 (あきのひやくらのしっくいちまでぬる)

>凩や瓦礫は今も街の中

 (こがらしやがれきはいまもまちのなか)

>暫くは焚火に滅ぶばかりなり

 (しばらくはたきびにほろぶばかりなり)

>指揮棒のしはぶき止むを待ちてをり

 (しきぼうのしわぶきやむをまちており)

>暁に裸木の他なかりけり

 (あかつきにはだかぎのほかなかりけり)

>冬の蝶電球の灯りつつ消ゆ

 (ふゆのちょうでんきゅうのともりつつきゆ)

>この空の齎す寒さ言ひ別るゝ

 (このそらのもたらすさむさいいわかるゝ)

>海深く雪あたたかく息をせり

 (うみふかくゆきあたたかくいきをせり)

>人類に尾てい骨ありペチカ燃ゆ

 (じんるいにびていこつありペチカもゆ)

>雪しんしん絵本の兎動きけり

 (ゆきしんしんえほんのうさぎうごきけり)

>降る雪や書きつつ文字の濃くなりぬ

 (ふるゆきやかきつつもじのこくなりぬ)

>俤の消ゆるはいつも雪の中

 (おもかげのきゆるはいつもゆきのなか)

>雪原に機関車の音赤き月

 (せつげんにきかんしゃのおとあかきつき)

次回は 2012年の作に進みます。

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