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句集「福島」 第二章 2015年

>2015年

>舞台を復興が一段落した仙台港・塩釜港・仙台空港から

 勤務実態は 福島県浜通り方面へ。

 初めて 福島県の大震災の復旧の進捗が遅れている

 事に唖然としました。

  福島第一原発の影響が色濃く、立入禁止措置がとられ

 通行許可証が無ければ通過できません。

>通行許可証を取得して、浪江町の請戸漁港等にいってきました。

 陸に舟が座礁し、墓の一団が倒壊してあります。

 コンクリートの家も崩壊し、木造の家は骨の家になって

 いました。そこころから 震災の悲惨な思い出と、原発事故の

 杜撰さと何故防げなかったかの疑問と、本当に原発は必要で

 あったのか等怒りが湧いてきました。

> 基本的に港湾技術者であれば、福島原発の設計浪高が土木学会

 での通常想定高さ6.5mを基準としており、普通の構造物の高さ

 を採用している事。因みに宮城県の女川原発は東芝が管理会社で

 すが、陸の原子炉などの陸上構造物と港湾施設建設とは

 分離発注受注形式であり、F1の一括受注とは違っている。

 つまり一括であれば、ゼネコンの施工会社は波高等の算定に、

 不馴れで、 安易に海を考えて設計していたとも考えられる。

 それにH教授の如くそれに意義を挟まない学者が多いのある。

>女川原発は江戸時代初期の浪高さ約12mを元に、港湾施工会社

 が設計して、それからいくらか上げて設計したものであり、実際にも

 12m近くの浪高さを記録している。それで海の被害が無かった

 と考えられる。

> 一方、仙台市若林区の連合町内会が、浪分神社という地名等から

 東北大学の理学部に貞観地震の地質ボーリングを依頼して、

 そこから工学部のH教授に算定してもらった。

 結果は12m程と想定された。東北大学の学内誌(まなびの舎)

 に東日本大震災2年前には発表されていた事実もある。

 これは高速道路を避難所にしてほしい為の査定であったのだが

 当時の仙台市長はその町内会の要望を無視していた。

 荒浜小学校付近の住民の命は守られたかもしれない。

 

>これらいろいろな事柄が 後の俳句に影を落としている

 ように今思っているが。

 それは時間が3年程経ってからふつふつと湧いてきた

 事と福島の現状を見たためであるかはわからないが。

 時間が経つと震災がよく見えてくるようだとも思う。

 冷静に語れるようにも思われるが。

>2015年

>山眠る男の眉の和むごと

 (やまねむるおとこのまゆのなごむごと)

>迪花生まれ来て海の底まで春

 (みちかうまれきてうみのそこまではる)

>春の日や生きるものへと水動く

 (はるのひやいきるものへとみずうごく)

>横丁に古井戸ありぬ朧月

 (よこちょうにふるいどありぬおぼろづき)

>地球上寝転べる若草あるや

 (ききゅうじょうねころべるわかくさあるや)

>白鯨を見たる記憶や朧月

 (はくげいをみたるきおくやあぼろづき)

>卒業できず家に帽子と鞄

 (そつぎょうできずいえにぼうしとかばん)

>春灯し指差す津波到着点

 (はるともしゆびさしつなみとうちゃくてん)

>校門に大空のあり卒業子

 (こうもんにおおぞらのありそつぎょうし)

>遠蛙目なし耳なし童子仏

 (とうかわずめなしみみなしどうしぶつ)

>薪能飛び火を闇の花とせし

 (たきぎのうとびびをやみのはなとせし)

>大空の根つこを探す揚雲雀

 (おおぞらのねっこをさがすあげひばり)

>鷹の巣や谷の底まで蔵王晴

 (たかのすやたにのそこまでざおうはれ)

>校庭の白線うすれ土手桜

 (こうていのはくせんうすれでてざくら)

>能面の裏の凸凹虚子忌なり

 (のうめんのうらのでこぼこきょしきなり)

>馬の息吾にかかりし春愁

 (うまのいきわれにかかりしはるうれい)

>竹皮を脱ぐや地酒の酔ひ少し

 (たけかわをぬぐやじざけのよいすこし)

>白神の風溜めてをり余苗

 (しらかみのかぜためておりあまりなえ)

>水音の聞こゆ山繭さみどりに

 (みずおとのきこゆやままゆさみどりに)

>青胡桃までの数歩に昏さあり

 (あおくるみまでのすうほにくらさあり)

>股引の干されしままに夏の果

 (ももひきのほされしままになつのはて)

>立木みな谷に傾ぎぬ蝉時雨

 (たちぎみなたににかしぎぬせみしぐれ)

>命なき命のかたち花氷

 (いのちなきいのちのかたちはなこおり)

>みちのくを源流として天の川

 (みちのくをげんりゅうとしてあまのがわ)

>死者は色鮮やかに盆の落雁

 (ししゃはいろあざやかにぼんのらくがん)

>畳換へ父母を待ちゐる門灯かな

 (たたみかえふぼをまちいるかどびかな)

>貞山運河の精霊蜻蛉かな

 (ていざんうんがのしょうりょうとんぼかな)

>同姓の浜の墓標や草の花

 (どうせいのはまのぼひょうやくさのはな)

>被曝の町の泡立草と信号機

 (ひがくのまちのあわだちそうとしんごうき)

>鰯雲ダンプ連なる浜街道

 (いわしぐもダンプつらなるはまかいどう)

>新米の線量記すペンの先

 (しんまいのせんりょうしるすペンのさき)

>がらんどうの相馬双葉や秋の空

 (がらんどうのそうまふたばやあきのそら)

>背高泡立草被曝校舎に浪の音

 (せいだかあわだちそうひばくこうしゃになみのおと)

>秋茄子と回覧板は笊の中

 (あきなすとかいらんばんはざるのなか)

>蒼天の光の束や花芒

 (そうてんのひかりのたばやはなすすき)

>魚屋は大蛇の中や村芝居

 (さかなやはだいじゃのなかやむらしばい)

>福島をじつと見てゐる万年青の実

 (ふくしまをじっとみているおもとのみ)

>被曝の屋根をそのままに柚子熟す

 (ひばくのやねをそのままにゆずじゅくす)

>冬すみれ被曝検査を受けにけり

 (ふゆすみれひばくけんさをうけにけり)

>田の瓦礫拾ふ女等冬日向

 (たのがれきひろうおんなやふゆひなた)

>時雨るるや被曝ノートにある余白

 (しぐるるやひばくノートにあるよはく)

>何を好んで年越の夜に行かむ)

 (なにをこのんでとしこしのよにいかむ)

>月冴ゆる音なき町の夜警団

 (つきさゆるおとなきまちのやけいだん)

>天仰ぐ虎の現や雪の中

 (てんあおぐとらのうつつやゆきのなか)

>次回は 2016年ですね。乞うご期待。

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