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宮城県芸術協会 文芸賞決定

>第51回宮城県芸術祭 創立第50回宮城県芸術協会 文芸賞が決定した。

>受賞者は 

    (詩)     前原正治    吉田秀三

    (短歌)    鈴木昱子    塔原武夫

    (小説)    宇津志勇三

    (俳句)    赤間 学    畑中次郎

    (川柳)    唐木ひさ子  岩淵たか

>10月25日(土) 午後1時30分~午後4時 県民会館

    授賞式があり、

    又 作品の受賞者の朗読とその作品への感慨を話すことがあり

   10月19日にそのリハーサルに参加した。

>その中で特に私が感動した作品を紹介します。

>「詩」  前原正治   

  初夏・蝶

  -生者は死者の湖である

  青黒く苦い光を浴び

  ひとが人を殺しつづけ

  それなのに

  闇も根も引き抜かれ 浮き立ち

  白日を漂っているいま

  死者は 異界へと遥かに拒絶され

  何と白じらしく

  あわあわと死んでいることか

  私は内部の眼は

  あの初蝶の日の親しい輝きを思い出す

  一頭の蝶が 私の掌に舞い降り

  つかの間静止し

  死者の眼でじっと私をみつめた

  そしてそっと

  手の温もりを通して

  私の魂の一部を吸いとり

  碧い空へと ふかく墜落していった

  それともそれは

  死者が蝶に変身し

  長い間 無償で私に与えたいた経験の髄を

  時空を越えた深淵の黄泉の水に洗わせ

  死者にも享受できる 不可視の形姿にして

  とり戻しただけなのだろうか

  確かにあとのとき

  蝶は私をみつめた

  近くなのに

  次元の異なる空間からの挨拶のように

  稲妻の輝きと果実の香りを含んだ言葉を

  重い無言でもらした

 

     死者はのんで生きよ

     ものをそのまま愛することを告げ

     豊かに熟れていく精神

     それを おまえの中で

     おまえにすら気づかれぬまま 営み

     それが一つずつ

     生と死の入り混った黒土の大地へ落下し

     地中で解体し 溶解し

     循環しつつ上昇し

     世界をみつめる眼差に沁み込むように

   いまは私は

   雪のように降りつもっていく静謐を

   いつまでも受け止めている桐の花を

   そっとみつめている

   恐らく漆黒の闇でも

   透明な光をもやしつづける

   うす紫の 開いた楽譜のような花を

   真夜中

   その天上の花の明るさの中

   星々は

   無数の死者の眼のように咲き

   ひんやりする果実の粒つぶのようにきらめき

   そして

   月の光も 樹々の黒ぐろとした肌も

   人の世の外の匂いにみちるとき

   私の魂も

   夜の世界を呼吸しつつ

   過去から未来永劫へとつづく

   死者と生者を湛える湖水になるだろう

「川柳」 岩淵 たか    仙台市青葉区

      Mサイズ

   スマホ手にして抜けだした一馬身

   本当のことばかり言う少数派

   一筆箋そんな軽さに救われる

   手袋も靴もみかんもMサイズ

   タミフルを飲まされたのは二月です

   さっぱりと捨ててくしゃみの二つ三つ

   欠席と書いて四、五日温める

   ありがとうなんて言うから黄昏れる

   イナバウアーしているパリの散歩道

   躊躇いをポストに入れてケセラセラ

   コピーでもいいさ明日があるのなら

   正直にいえば明日が逃げて行く

   もう少し歩いてみたい道がある

   飯茶碗ひとつになってからの海

   掴まっていいのでしょうか蜘蛛の糸

   昨日まで此処で笑っていましたよ

   待っている訳ではないが喪服買う

   守られているなと思う茶碗蒸し

   振り向けば笑ってくれる人がいる

「俳句」 赤間 学         仙台市太白区

    文芸賞  「宮城県文化振興財団賞」

 

    余苗(あまりなえ)

    白神の風溜めてをり余苗

    竹皮を脱ぐや地酒の酔ひすこし

    滝の前おほむらさきの吹かれをり

    冷えくもる硝子の窓や山開

    青胡桃までの数歩に昏さあり

    虫干の読まず捨てざる学会誌

    稲架の棒立てて大星雲の中

    雁の道行く雁の一途かな

    ランボー忌ビニール傘の中の空

    無音より深き黙あり牡蠣筏

    天地の間合をはかり弓始

    灯に藁打つ音のありにけり

    雪の上に雪ふりつもり機の音

    寒の内蒲団に付きし身の匂

    太陽の黒点蛇の交むなり

    土を揉む節くれの手や風光る

    帆柱の直立虚子の忌なりけり

    雪形や仔馬にもある短き尾

    丹田の力青竹撓りけり

    津波畑一歩に一個芋植ゑて

   受賞のことば

 

    大震災後、復旧復興事業の一環として国の建設発注者支援業務勤務

  の帰路中、受賞のことばの原稿依頼があり、大変驚き、恐縮しています。

   受賞作品「余苗」はここ一年に「滝」主宰 菅原鬨也先生の選を受けて、

  滝俳誌上に掲載されたものを中心にチョイスして応募した作品です。

  又、定例句会、ミニ句会での句友の選評を得て手直しをした句も多々

  あり、受賞は句友の力が大部分を占めていると思います。

  更に句会後の飲み仲間二十人程との自由闊達な教えも励みになりました。

   受賞は偶々でありますが、これを機に座の文学としての句会の充実、

  「滝俳誌」の活性化に努めて句友共々楽しい俳句的生活を続けたいと

  思います。

  10月25日の本番まで声の調子をよくして、朗読の練習をしようと思う。

> https://www.facebook.com/manabu.akama

 赤間 学のフェイスブックです。

 

    

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