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宮城県「EMIS」脱退していたー「孤立病院情報」抜き落ち

宮城県「EMIS」脱退していたー「孤立病院情報」抜け落ち5月10日

SEIS(広域災害救急医療情報)を宮城県は、当然ながら導入して
いたが、浅野知事から村井知事に変わり、2年前から、年480万円
の接続料を出せなくして、予算削減を行い、2009年度から脱退し
ていた。
県議会は間違った仕分けをし、疑問を持たず、賛成多数で通した。
このSEISに入っていないのは、東北では宮城県だけだ。

このシステムは、震災時、各都道府県庁、災害拠点病院、緊急病院
がこの閲覧システムに現場の状況を、ネット経由で入力する。
それを閲覧した医師(DMAT)と各都道府県が、被災病院情報を見
極めて、被災時まぎわの緊急情報、災害の大小から被害者を
トりラージする判断材料、被災後の医療体制の確立などを、
効率よく計画立案して実施をするためのものである。
被災病院から入力された患者受け入れ情報、病院建物被災情報、
患者の殺到情報、ライフライン不可情報などを一覧で閲覧できる
サービスだ。
このサービスは、阪神・淡路大震災の教訓を受けて、国が整備を
進めてきた「SEIS」である。

大震災時、電気、通信が使えなくなり、インターネットが使えないので
あるから、県が接続料金が無駄になると判断したのかもしれないが。

今回の東日本大震災で、検証してみれば、被害が大きかった石巻市
、宮城県では、この被災情報システムに接続されていないので、
孤立病院がつかめなかった。

 震災発生から2日後の3月13日、石巻市役所に、ずぶぬれの2人
の男性がたどり着いた。
石巻市立病院の医師と事務職員。
「一階が水没し、入院患者170人が残されている」と救助を求めに
きたのである。
水が腰の高さまでありながら、道を約3キロ近く歩いて来たという。

 市役所もそれまで、病院の入院患者の安否を確認し対応する時間
があったのに、48時間、市役所が何もしないという危機管理の無さ
もあるが、このシステムが稼動していたらと思うと身につまされる。
 小さな病院では、低温障害で死亡、後々、病気の免疫力の低下
での疾病、みすみす放置しないですんだろうというくやしさ。

 すぐに石巻赤十字病院に連絡、集結してDMAT(災害派遣医療
チーム)が市立病院に向かった。
翌日、14日、約170人の入院患者は仙台市の病院などに無事搬送
されたが、約65時間孤立状態だった。
 宮城県の災害対策本部は災害発生直後から職員10人が無線など
を使い病院の被災状態の把握に努めた。
しかし、県という組織が、市から上がってきた情報から、対処する
組織であるので、本来の県の役目を果たしていないと思う。
市からの要請がなければ、何もしないのが普通として捕えている
感覚も問題である。
宮城県災害対策本部は宮城県ナンバー2の市の石巻市立病院でさえ
、状況を把握していなかった。
宮城県の防災対策計画では、本来なら、考えられない事態だ。

EMISに接続できないような、財源支出削減の危機管理は、宮城県
議会議員の議会討議の質の低さ、議員一人一人の危機管理不足
だと言われても反論できまい。
地域の要望には対して、住民の期待に応える議員は多くても、一般
的課題に対しては、県議会議員の事柄をイメージする力、本質を見
抜く眼がないといえよう。

 一方、国のDMAT事務局の近藤久禎局次長はEMISの病院一覧
を見ながら、DMATで手分けして孤立化を防ぐ努力ができたと。
しかし、岩手県と違って、宮城県ではその作業すら出来なかった。
岩手県は被災した病院で手が足りず、入力されぬ事態も一部はあっ
たが、活用はされた。

このことと同じような事態が、宮城県災害対策本部と各市町村との
間に横たわる連携ミスであり、それが顕著であり、多々あった。

その一例が、NHK災害特集5月7日(或いは6日)午前8時30分
からの番組で、石巻赤十字病院の医師達(50人)が、宮城県の
拠点病院として、手分けして、不眠不休で3日間ほどで、被災者の
状況を調べ上げた。
本来は市役所の役目であるが、人手がなく、このチームがまとめた。

 病院は被災者の病気を治療するには、被災者のおかれている状況
把握からはじめたので、被災地の食料状況、震災後10日間も経って
いる石巻市でも、食料物資が届かなく状態にあることに唖然とした。
石巻市役所に医師がゆき、調査事態を報告すると、石巻市職員は、
被災者の実数すら、把握しきれていなかった。
後でわかることだが、宮城県の報告では、石巻市は4万人の緊急
食料物資の依頼をしていた。
しかし医師達が把握していた食料物資を必要としている人数は7万人
であった。後にわかったことであったが。
 もし、石巻市から7万人の食料物資の要請があり、県が対応できな
い場合は、国が直接、石巻市へ物資を送るシステムが出来ていると
国は語っている。
宮城県は、石巻市からの要請分、4万人には対応できたので、国に
対して石巻市への物資の補給を要請しなかったという。

 番組では、宮城県の医療状況を徴収する会議が仙台市であり、
石巻市日赤、石巻市立病院の逞しい医師も出席しながら、食料物資
の現状を強く訴えた。さらに呼応するように、東北大学病院病院長の
方も宮城県の医療体制の不備を正して、食料物資の点も医療と
密接に関係のあるので、災害対策本部の物資担当者をこの席に
呼ぶように要請した。
ところが、この会の纏め役として宮城県の担当部次長が、議長として
にやけながら、まあこの会の趣旨は食料物資搬送などは考えて
いないという発言があってから、大学病院長は災害対策は現場を
みて判断すべしと鋭く追求し、紛糾したので、県側はあわてて、
番組テレビクル-を退席させた。
場面は消えた。
・・・・・・・・・
宮城県、あるいはこの会の纏め役の県職員は、一番肝心な情報が
漏れるのを恐れたのかもしれない。
つまり、災害対策本部は立ち上がっているが、その機能はされて
いないということを。
セクションごとに、会議を踊られているに過ぎない実態がはっきり
したと見るが皆さんは、どう考えるであろうか。
宮城県庁の各部の連携がうまくいっていない。
いつものセクショナリズムが横行している。
県職員は 異常時で、身に振るかかる炎を振り払うことのみに
きゅうきゅうしているようだ。
村井県知事は、マスコミに再三登場して、国に宮城県の窮状を訴
えており、いち早く県の災害復興会議を立ち上げて、県ビジョンの
作成を始めているが、政治的な匂いがする復興税に言及したり、
現在は改まったが、仮設住宅の用地に、県主導で行うことを明言
し、市町村に訂正するなど、地に足が着いていない。
 このブログにも記いたが、岩手県と比較すると、岩手県は盛岡市
隣接地滝沢村に物流拠点基地を4日後には開設して、国からの
支援物資の受け入れ態勢を整備した。
しかし、宮城県は、8日間経っても拠点化作りがなされていない。
石巻市に食料物資が届かず、15日後頃から何とか動き始めた感
がする。
自体は宮城県が危機管理体制が機能せず、遅すぎるのである。
仮設住宅も、岩手県高田市は8日後に、宮城県は仙台市のあすと
長町地区に18日後に初めて着工した。
村井宮城県知事の若さゆえの、パフォーマンス的動きはよく目立つ
が、県職員把握術に関しては、課題が多い。
案はぶち上げるが、実行が遅いからだ。
県職員は、村井知事の自衛官としての経歴から、危機管理能力は
高く、その知識は認めるが、本当に必要な統治能力に疑問を持っ
ているのである。
村井知事は逃げ場をいくらでもあるからと県職員は思っている。
関西人の顔がたまに出るのを県職員は見ている。

もう一度、EMIS(広域災害救急医療情報システム)を削減を提案
した宮城県知事の考え方、さらに宮城県議会議員の声も県議会内
で聞きたいものだ。
そして、今後も導入をしないのか、聞きたい。
国中が同じ条件で入力できるようにして、災害時は衛星システム
を活用し、必ず使用できようにしながら、導入すべきである。
さらに、テレビ番組クルーを退席させた県職員の対応を、県議会
で追求してほしい。
臭いものには蓋の発想が見られて、宮城県災害対策本部の本質
を見たきがして、いやな気分で過ごすのは私だけであろうか。

石巻市日赤医師と大学病院長の真摯な質問と、被災者目線の姿勢
に感動して記いた次第だ。

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