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福島第一原発事故と津波の一雑感

福島第一原発事故と津波の一雑感

 被害の面からは2011311日午後226

発生の東日本を襲った地震による大津波のもたらし

た被害は遥かに大きいが、今後の事を考えると、

福島第一原発事故がどうなるのかの関心が高く、

世界は注目している。

福島第一原発事故の特徴を示すと

1.東日本大地震で大きな被害があった。

・外部電源施設がダメージを受けた。

 (1箇所の変電所がダウンした。)

・内部の物理的破損もあった。

 (4号機等の炉心に亀裂か。

  使用済み燃料棒プールに損傷とか)

2.想定外の大地震でプラントが水浸しになる。

・非常用電源が水没した。

 (電源は地下に設置されていた。)

・外部電源取り込み施設が使用不能になった。

 (建屋の裏側まで津波が押し寄せ浸水被害)

3.特殊事情があった。

・GM社製電源車が日本化されていない。

(東芝が施工したが、工事用電源としてGM社

 製は日本の100,200Vでなく400,6000V仕様)

・外部電源を取り込む変電所が1箇所だけ。

 (小型火力発電所と3(2)の変電所が必要)

4.複数炉(6基)の同時進行事故であった。

・放射線量から確保人員、機器が不足。

 (放射線量から7分だけの作業もある。)

・現場はスペース不足。

 (修繕の為の機械を運搬配置するスペース等)

非常用電源は8時だけ使用できた。

事故の原因は、電源が落ちて、冷却水の循環ができず

使用済み燃料棒のプールの冷却水や格納容器内の燃料

棒の水の温度が上昇し、又、プール内の温度が上昇し

て、水素爆発がおき、建屋が吹っ飛んだ。

その際に、ヨウ素131等の放射能が発散されて

関東地方まで拡散飛散されている。

野菜や牛乳や水道水から検出されている。

 一方、原発は外部電源の回復とプール内へ海水の

注入などをおこない燃料棒の冷却水の確保に努め

ている。自衛隊員、東京消防庁、東電社員、建設会社

社員、作業員が放射能量が高い中、必死の作業をして、

被害の拡大を防いでいる。尊いと思う。

 福島原発事故は以上のように経過しているが、

世界は自国との比較から、類似か、フクシマ特有

なものか分析をしている。日本は正確な情報を提示

する責務がある。

さて、津波については、2010年チリ地震津波被害後

、福島県県議会委員会議議事録にもあるが、某議員

の津波の設計に関しての質問に対して、東電はこう答

えている。

土木学会の指針に基づいて、福島第一原発の最大波高

は5.4~5.7m、第二原発は5.1~5.2m

で設計していると説明している。

これは、元東芝社員の設計に関わった人の21日付、

新聞でも同じ数値を証言している。

その際補足として、原子炉の冷却や非常用発電機を

用いる取水ポンプの機能は損なわれず、原発の安全性

は問題ないと東電側を評価している。

 今回の津波は当初、東電は波高を10m~12mと

したが、14m以上の痕跡を確認した。

 設計は Mは8で 波高  5.7

 実際は Mは9で、波高は14 m

という結果であった。

これは、宮城県沖地震を想定している。

 因みに、

 宮城県女川原発(東北電力)は1611年の慶長地震

の最大波高平均潮位より9.1mで設計している。

実際の波高は15mの津波が襲来したが、建屋の標高

は平均潮位より14.8mの位置にあったためもあり、

津波の致命的な打撃を免れた。一部水浸しの装置はあ

ったが、電源のダウンはなかった。

 ここで原発の考え方、モラルの事を考える。

これらの原発は東京電力と東北電力で、炉心は同型炉

で同じ形式、建設時期もほぼ同じ、設計会社も東芝で

同じ。津波の波高は女川原発のほうが高いが、事故は

福島原発でおきた。

それは津波の設計波高の高低の違いにある。

さらに建屋の標高差もある。

 なぜこのような設計になったのか。

設計を担当した元東芝社員は新聞で、「大津波、M9

想定却下」という設計段階での東電とのやり取りの

話が載っている。

 設計の基本の流れは、東芝は心臓部の原子炉の

設計以外は外部委託にする。建設コンサルタント

をアドバイザーにして、施設建設は大手ゼネコン

に依頼するのが普通である。

福島原発は鹿島建設の設計、施工とのことである。

しかし、現在、建屋崩壊の瓦礫撤去等の復旧作業には

大成建設や清水建設のヘルメットが見える。

 又、30年程前からは、港湾施設(防波堤や船の

接岸岸壁)はゼネコンの内でも、港湾工事から出発した

五洋建設、東亜建設、若築建設等のマリコンが設計施工

を受け持つことが多い。(NHKプロジェクトXのスエズ

運河改修工事、1970年代戦後最大海外工事受注550億円

の会社群です。各社のポンプ船の寄せ集めで施工)

 私は電源開発㈱現在のJパワーの大間原発(青森県)

の港湾施設の設計施工、特にその工事の先駆けとしての

作業基地に関係したので、その設計のやり取りはリアル

である。当然ながら、施設安全面とコストパファーマンス

とでの狭間で葛藤する。電源開発は、初めての原発という

ことで、港湾施設の最新耐震設計が可能な業者は、

元運輸省港湾技術研究所との共同研究から独自の設計運用

のできるのは3社程に限定するとした。又、土木学会の

港湾指針とそれ以外の港湾施設のノウハウを提案すること

(工事経験からその地の波の特徴等の解析結果、船の接岸

方法や波に対する船の安定接岸方法等)が、信頼を得て

提案させて頂ける雰囲気があり、過大と思われるぐらいの

設計が採用して頂いたと思っている。

 一般的に設計施工会社の利益と技術者の信念との狭間

で揺れるのが常である。

 福島第一原発建設は1960年代後半の日本イケイケの

時代、原発事故がイメージできない時代の話である。

20代後半から、30代の若い設計原子炉技術者は、この

安全面の信念をもっておられたたのだろうか。

専門でもない津波の波高の事で信念を貫けただろうか。

飛行機の衝突時の設定、波高9mの提案は、過大設計の

愚を指摘されて断念したのは仕方がないと思われる。

 

 今後はこの地震のデーター解析から、津波映像から、

新たな設計指針が提示されるであろう。

 東北では、現在施工中の東通原発(青森県、東京電力、

営業開始予定は2016年)、

大間原発(青森県、Jパワー、営業開始予定は2014年か)

営業稼動中は、東通原発(青森県、東北電力)、

女川原発(東北電力)、福島第一第二原発(東京電力)

 計画中の福島県の浪江小高原発予定(東北電力)等は

アメリカ、ドイツ同様に、新規の原発建設は30年間は

断念せざるおう得ないであろう。

世界的には、オバマ大統領民主党政策の原発推進クリ

ーンエネルギー政策は苦境に立たされることになった。

30年ぶりに新規建設にゴーを発したばかりだのだから。

クリーンでなくアンクリーンになって、怒っている筈

である。

 中国は今後128機原発を作る予定になっている。

事故後、原発建設計画は変更しない声明を中国政府

が発表したが、ネットの書き込みで反対が多く、

ネットの声を無視できない状態になっている。

それにより、暴動などを警戒している事態になっ

ている。

まさに原発は内政問題なのである。

 一方、日本、フランス、韓国は各国へ原発開発で

産業振興政策を図っている。

今こそ原子力政策は相互依存でなければならない

時代だ。一国の問題は他国に波及するのだから。

 そして国際的なエキスパートチーム不在であり、

各国バラバラな対応である。天野事務局長の手腕

を期待するとともに、正確な情報発信で、

日本不信を払拭して欲しい。

 さらに長期展望を示す事が求められる。

 現実的に、電力の3割は原発からだ。

推進役の経済産業省はその行政手腕が試される。

又、国民も原発建設を再考しなければならない。

 早急に原発の廃止を叫ぶのは簡単であるが、

電力に関して、現在より3割減での経済活動、生活

をしうるものであることをしっかり受け止めなけれ

ばならない。

それ以上に現在起きている放射線量との関わりとじっくり

対峙せねばならない。

 私はどうすればいいのかわからない。 

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