9月号 NHK俳句テキスト 全四週 入選佳作

> 仙台一高楡の会俳句部の投稿句と点盛り結果

  選評のメールが来た.

     赤間学が選評中心に語る宗匠、席題係が副宗匠

  百足呉光、編集部長が笹川進氏でやっている。

  選ののみの参加者20名程であるが。

>そのメールに 赤間 学の事が書いてあった。

 それが NHK俳句 9月号テキストの中に 

 入選句があったとの事。

  そうか 「滝」成田一子主宰が 長嶋さん分のNHK講師

 として添削をしており、投稿を依頼されたのでメールで

 かんたんな気分で応募したからだと分かった。

> ところがそれだけでなく 結果として 4人の選者の

 入選佳作になった。

 

> 宇多喜代子選 兼題「団扇」

    絵団扇として大は大小は小     宮城県 赤間 学

 

>長嶋 有選  兼題「クーラー」冷房

    クーラーの風絵葉書のナイルの帆  宮城県  赤間 学

 

>井上弘美選  兼題「鱧はも」

    故郷に帰れば父の鱧胡瓜      宮城県  赤間 学

 

>堀本裕樹選  兼題「暑さ」

    足裏に地震の残りし暑さかな     宮城県 まなぶくん

 

> まさかの坂ですね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

| | コメント (0)

俳誌「ひいらぎ」7月号「連載」名著トレッキングに句集「福島」の書評掲載。

>俳誌「ひいらぎ」7月号 主宰 小路 智壽子(師系 阿波野青畝)

 神戸市灘区、俳人協会、 p18,19に「連載」、

 名著トレッキング(八十四)として平田青雲氏により

 句集「福島」の書評を掲載して頂きました。

>感謝します。

 

>赤間 学句集「福島」

 

>著者は昭和二十三年宮城県大郷町生れ。

 同四十一年宮城県内高校生俳句吟行会に参加。

 同四十四年弘前大学同人誌「飛土」創刊同人、

 後に社会人として「斜坑」創刊同人。

 平成四年俳誌「滝」創刊時に入会。

 同十六年同人。同二十二年編集部長。

 同二十六年宮城県芸術協会文芸賞、 同県俳句協会賞正賞、

「滝春秋賞」受賞

 同二十七年「滝賞」、現在「滝」同人。青磁会「会員」。

 公益法人日本伝統俳句協会会員で仙台市にお住まいである。

  この書は第一句集で(帯紙)には「東日本太平洋沿岸

 の港湾施設や津波用河川水門等を建設する土木技術者

 だった私は、東日本大震災によって、長年自分が手掛けて

 きた構造物が一瞬にして崩する壊という大きな喪失感に

 襲われた。

  震災後、復興・再生事業に従事し、近年では特に福島

 について句作を重ねてきた。いくらかでも「福島」の「今」

 を切り取れていたならば幸いである」とあり、

 <福島の火蛾にならねばならぬかな>

の一句を掲げる。

  私も著者の想いに沿い、東日本大震災、特に「福島」

 について、感動句を年度別にトレッキングしてみよう。

 

(2011年)

  春恨や海のめり来る逃げて逃げて

 

  棺なく花なく野火の錢(はなむけ)か

 

  仰向けに眠らせてやる花の下

 

  凩や瓦礫は今も街の中 

 

  万感胸に迫る上五、海上の漁船や陸上の建物を根こそぎ押し

 流し来る津波を活写する中七、恐怖に戦き叫ぶ下五と圧巻だ。

  東日本大震災の地震と津波による被害は甚大。東北と関東

 地方の太平洋沿岸での死者は無残。棺も花もなくはなむけは野火。

  一瞬の津波による死者は一時廃虚や海岸に様々な姿態で放置

 されたが、家族や隣人達が後に葬礼に従い花下に安置した。

  三月の大震災から八か月、凩荒ぶ初冬になっても街中には

 まだ瓦礫が残り、復興がままならず、原発被害の街は更に酷。

 

(2015年)

   被曝の町の泡立草と信号機

 

   秋茄子と回覧板は笊の中

 

   新米の線量記すペンの先

 

   冬すみれ被曝検査を受けにけり

 

  東日本太平洋岸でも福島県は原子力発電所の事故で放射能が

 洩れ被害が重なった。被曝の町は、住民が避難し、まだ無人。

  震災から四年経って今も、被災には転居できず避難所暮らし

 の人も多い。日々の暮らしは不便で、笊がつなぎ役である。

  原子炉から洩れた放射性物質は大気中に拡散して大地を汚染

 したが、新米の被ばく検査をするその眼は数字に鋭く光る。

  「被曝検査」は放射線の汚染度を計る。放射線量検査は、、人体

 や家畜、農水産物に限らず、環境浄化のため草木にも及ぶ。

 

 

(2016年)

   いなだ東風いまも同居の仮住ひ

 

   浜の転覆船に潮満つる夏

   

   汚染水のタンク増設秋暑し

 

   冬日抱き白き服ゆく廃炉棟

 

  震災から5年。被災地では今なお仮設住宅で同居生活を送る世帯

 がある。浜から少し寒い春風が吹くが、未来は如何ばかり。

  テレビで見たが、大きな船が浜に打ちあがっていた。津波の大きさ

 が推測され、防災の教示に保存の声をあるようだが。

  発電所の敷地に立ち並ぶ汚染水タンクは増設が続くが、汚染水の

 処理ができるまで増設は続く。汚染土の袋共々目の毒だ。

  放射線害をなくすには原子燃料を取り出し廃炉が必須。棟には

 放射線防御の白服を着た作業員が働くが、廃炉の道は長い。 

 

 

(2017年)

 

   海隠す防潮堤や冴え返る

 

   メルトダウン後の春の闇の冥(くら)く

 

   除染女の日焼の顔にマスク痕

 

   大海にセシウム洩るる炎暑かな

 

 

  津波から六年。海岸には高い防潮堤ができ人が暮らす陸と魚貝

を漁る海を断った。防潮堤の功罪が心配,作者は冴返るとした。

  「メルトダウン」は炉心が高温になって、核燃料が溶ける現象。

溶けた核燃料を原子炉から取り出のは非常に危険で困難の由。

  屋内でなく汚染地域の野外で作業する人は日焼けをするが、顔に

 大きな防御マスクを付けるからその痕が白く残る。

  「セシウム」は放射能汚染水にも含まれて人体に有害。地下水

   から海に洩れないように防護壁を作る等しても洩れは続く。

 

 

(福島 2017年)(日本伝統俳句協会賞30句、佳作一席受賞作から)

   

   桜東風解体進む仮設かな

 

   一時帰宅花野の雨となりにけり

 

   秋天や福島ザブザブ洗ひたし

 

  去年の「いなだ」が「桜」東風になり、「仮住ひ」が「解体進む仮設」

 になって喜ばしい限りだ。仮設からの幸ある転居を祈る。

  立入禁止地区の除染作業が進み、やっと「一時帰宅」が可能になった。

 荒れた屋内の整理をされるご家族の姿が彷彿する。

  一時帰宅が許されて、除染は未だ遅々たるもの。この秋天下、福島を

 丸ごと、徹底的に「ザブザブ」と洗いたいものだ。

 

   被災者のその後聞きゐる夜長かな

 

   一行の詩の祈りや冬の星

 

   去年今年(こぞことし)消してはならぬ村ひとつ

 

  福島の被災者は地震・津波の被害に加えて原発事故が重なり過酷

 である。隣人や知人の被災後を聞く懐かしくも辛い夜長である。

  「一行の詩うた」は俳句だろう。冬の星を仰いでの「祈り」は、

 世の安穏、早期のふ復興・被災者等だろうか。珠玉の一句。

  除染が終り、帰郷が許可されても、帰郷する人、望む人は極端に

 少ない。だが、生まれ育った郷土は一村をもなくせないという決意。

 

  発行所 「朔出版」(さくしゅっぱん)発行年2018.11.1  

 書評住所 三重県松阪市垣鼻町1223

 

 

 

 

 

 

 

 

 

     

 

 

| | コメント (0)

俳誌「松の花」松尾隆信主宰 句集「福島」現代俳句管見

>俳誌「松の花」松尾隆信主宰 句集「福島」現代俳句管見

 P34 松田 知子様 鑑賞

 

> 句集「福島」 赤間 学著 第一句集

 (滝同人、青磁会、仙台一高校楡の会俳句部宗匠)

 

>   山刀伐の径薫風の立ちにけり

 

  第一章 「暮れゆく秋は」より一句。

  峠は最上町と尾花沢市を結ぶ。

  深山の径を旧暦五月芭蕉と曽良が通った。

  筆者は友人と六月に歩いた。

  午後で風も感じなかった。

 

 

>   棺なく花なく野火の餞か

 

  第二章「東日本大震災以後」よりの句。

 

  東日本太平洋沿岸の港湾施設や

  津波用河川水門等を建設する土木技術者

  だった作者は、自分が手掛けてきた建造物

  が一瞬にして崩壊するという喪失感に襲われたと

  帯にある。

 

    春恨や海ののめり来る逃げて逃げて

 

           炊出しを知らせる鉦や梅真白

 

    つばくらめ流失の家探すかに

 

    話し込む一人は拝む不如帰

 

    同姓の浜の墓標や草の花

 

    セシウムの匂ひを持たず梅雨寒し

 

 

 

>    秋天や福島ザブザブ洗ひたし

 

  第三章「福島2017」より

  

     曼珠沙華核廃絶のほむらとも

 

     除染後の墓地に冬日の移りけり

 

 

     体験者の句は実感があり重い。

 

 

>  一行の詩の祈りや冬の星

 

 

 

 

 

 

 

    

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

| | コメント (0)

宮城県俳句協会会報近刊句集紹介 赤間学句集「福島」の紹介記事

> 宮城県俳句協会会報近刊句集紹介 赤間学句集「福島」の

 紹介記事が掲載されました。

 筆者は平山 北舟さん(俳誌小熊座同人)

 

>県芸術協会文芸賞や県俳句協会俳句賞を受賞されている

 「滝」同人 赤間学さんの第一句集である。

 

>俳句開眼の句として巻頭に

    暮れてなほ暮れゆく秋やみちのくは

 を据え、

 

    帆柱の直立虚子の忌なりけり

 

    ランナーの鎖骨枯野を明るくす

 

    アフリカを発つ原人に時雨れけり

 

 など発想が豊かで広く、平易な表現ながら格調高い

 

 句が並ぶ。

 

  また赤間さんは現役の土木技術者である。

 

>この句集は、長年手がけてきた港湾施設や水門が大震災で

 

 崩壊するという大きな喪失感の中で復興・再生事業に

 

 従事し、句作を続けている記録の書でもある。

 

    大海にセシウム洩るる炎暑かな

 

    福島の火蛾にならねばならぬかな

 

    夏草や被曝の牛の生かさるる

 

    時雨るるや被曝ノートにある余白

 

 

> 以前「滝」前主宰の菅原鬨也氏によって

 

  雑誌「俳句」に季語主体の俳句として掲げられた

    

 

    夕焼を使い切つたる作業船

 

 

>みちのくへの深い愛情や自然と人間の共生を詠んだ

 

 

   松島は光の器小鳥来る

 

 

   稲架の棒立てて大星雲の中

 

 

   みちのくの源流として天の川

 

 等の句に感銘を受けて更なる句集の発刊が待たれる

 

   (朔出版発行) 筆者 平山 北舟

 

 

 

 

 

 

| | コメント (0)

俳句雑誌「門」主宰鈴木節子で、鳥居麻里子の句集「福島」鑑賞

>俳句雑誌「門」2019 5月号 P34 玲玲抄

 鳥居真里子の俳句鑑賞あり。

 

>「心臓を剝き出しになるねぶたかな」  赤間 学

 

  極彩色の極まる鬼の形相。ねぶたのその迫力は、人間の

 いっさいの血肉骨の躍動を煽り立てるかのよう。

  「心臓を剝き出し」には諸々の想像が駆け抜け、

 生きていかねばならぬという切迫感が伝わってくる。

 

 

  句集「福島」は「自分が手掛けてきた建造物が一瞬にして

 崩壊するという大きな喪失感に襲われた」とあとがきにある。

 

  「福島」の今を渾身の力で詠む。

 「秋天や福島ザブザブ洗ひたし」

 

 「あの日より水仙は我が地震の花」

 

 

> 掲載ありがとうございました。

 

>尚 鳥居真里子さんの私の好きな俳句は

 

  「某日やひらけば吹雪天袋」   鳥居真里子

 

  「噴水の背丈を決める会議かな」 鳥居真里子

 

 

 

 

| | コメント (0)

句集「福島」2011年以前 松島編より

>句集「福島」20011年以前 松島編より

 

> 2004年代

 

  捨玩具るりいろといふしぐれかな

     (すてがんぐるりいろというしぐれかな)

 

> 2005年代

 

  松島の時雨て来たり昆布巻

  (まつしまのしぐれてきたりこんぶまき)

 

  異腹のあやとる橋のしぐれかな

  (ことはらのあやとるはしのしぐれかな)

 

> 2006年代

 

  舟形山の見ゆる川辺に帰省かな

  (ふながたやまのみゆるかわべにきせいかな)

 

  時雨るるや鳴子こけしの小さき眸

  (しぐるるやなるここけしのちいさきめ)

 

> 2007年代

 

  松島の海揺らぎなき帰雁かな

  (まつしまのうみゆらぎなききがんかな)

 

  海鞘喰へば幽かに動き蒙古斑

  (ほやくえばかすかにうごきもうこはん)

>2008年代

 

  仏来て秋の日入るる雄島かな

  (ほとけきてあきのひいるるおじまかな)

 

  松島は時雨て居りぬ萩茶碗

  (まつしまはしぐれておりぬはぎちゃわん)

 

>2009年代

 

  鮭を搏つ他用なき棒や村芝居

  (さけをうつほかようなきぼうやむらしばい)

 

 

>2010年代

 

  旅にゐてなほ旅を恋ふ翁の忌

  (たびにいてなおたびをこうおきなのき)

 

  草枕理無き老いのしぐれかな

  (くさまくらわりなきおいのしぐれかな)

 

 

  

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

| | コメント (0)

6月5日(水)陸奥新報に句集「福島」木村詩織書評掲載

>6月5日(水)陸奥新報12面に句集「福島」木村詩織書評掲載。

 

> 書評

 

「淵に立つ人」の祈り

  赤間 学句集「福島」    木村詩織書評)

 

 

> 赤間 学さんが第一句集「福島」 (朔出版)を上梓された。

   何かの手が「福島」への愛と祈りを俳句にし、世に送り出した。

 

   

    先日、50年振りに仙台でお会いした。

 

         俳句集に纏う風を感じたかったからだ。

 

    彼は団塊世代で、弘前大学農学部農業工学科卒。

 

    共に創生期の弘大フィル、弘前オペラ、青森県作曲家協会等

 

    での仲間であった。

 

    高校から俳句に親しみ、同人誌「飛土」「斜坑」を経て

 

    平成4(1992)年俳誌「滝」(故菅原鬨也主宰、現娘成田一子主宰)

 

    に入会、現在編集部長をされ、また仙台一高楡の会俳句部会員50名

 

    の宗匠という立場にある。

 

 

 

> 句集「福島」は「暮れゆく秋は(東日本大震災以前)」「以後」

 

  「福島の今(日本伝統俳句協会賞佳作一席受賞作品含む)」

 

   の三章形式だ。

 

 

> 帯文より「福島の火蛾にならねばならぬかな」と標し、

 

  港湾中心の土木技術者(日本港湾空港建設協会連合会元理事)

 

  、東日本大震災では八戸港防波堤等の手がけた建造物が一瞬に

 

   崩壊し、大きな葬失感に襲われた、と記している。

 

 

> 先の仙台一高楡の会俳句部推薦句10句が挙げられ、ここでは一部

 

  紹介したい。

 

 

    あの日より水仙は我が地震の花

 

 

    床に膝給ふ行幸夏の月

 

 

   一行の詩の祈りや冬の星

 

 

> 東日本大震災以前の句を拝読した、なんと自由なことか。

 

 

  ゼロといふ数の発見春の水

 

 

  暮れてなほ暮れゆく秋やみちのくは

 

 

  捨玩具るりいろといふすぐれかな

 

 

> 津軽との往来も多い。津軽を俤として詠んだ句には

 

 

   桜又桜又又桜又

 

 

   グッド・バイの代はりに投げし林檎かな

 

 

> 著者が俳句の「定点観測地点」とするふるさと松島、松島芭蕉祭では、

 

   松島は光の器小鳥来る

 

  

   旅にゐてなほ旅を恋ふ翁の忌

 

  

   

> 港湾土木技術者として現場の海の句には

 

 

   夕焼を使ひ切つたる作業船

 

   福島は福島であれ夏の海

 

 

> 東日本大震災への慟哭、午後2時46分に時間を止める。

 

   春恨や海のめり来る逃げて逃げて

 

   文字のなき紙一片や牡丹雪

 

   春蝉の死や少年の喉仏

 

   大海にセシウム洩るる炎暑かな

 

   背高泡立草被曝校舎に浪の音

 

   影踏の影なかりけり鳥雲に

 

 

> 復興再生を目指し、家族とみちのくへの深い愛情と誇り、

 

  そして今を挙げる。

 

   迪花(みちか)生まれ来て海の底まで春

 

   福島のあしたの空へ菊根分

 

 

> 津軽は新緑の季節になった。

 

  「眼下つがる肩離れゆく夏の蝶」(句・加藤楸邨、作曲・川村昇一郎)

 

  津軽の広大な田園風景を歌ってきたばかりだ。福島の一日も早い

 

  復興を心からお祈りしたい。

 

  此岸俳句会会員、陸同人、現代俳句協会会員。

 

   

  

 

 

  

  

  

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  

 

| | コメント (0)

句集「福島」2009年代

>5月12日に大学時代の音楽仲間、現在ねむの会代表

 弘前オペラ等で活躍している知北直美さん(俳号 木村詩織)

 と仙台市で50年ぶりにお会いした。

 陸奥新報社(弘前市)へ句集「福島」への批評記事を掲載するために。

 それが6月5日朝刊に掲載されるとのメールが届いた。

 御苦労かけてしまったが、大変うれしい。

 音信のとれてない人々も多いので、連絡があるかもしれない。

 

 

>句集「福島」2009年代

 

> 新春の空に志功の天女かな

  (しんしゅんのそらにしこうのてんにょかな)

 

> 鬼怒川の光る魚道や寒明くる

  (きぬがわのひかるぎょどうやかんあくる)

 

> マンモスの凍解進む地球かな

  (マンモスのいてどけすすむちきゅうかな)

 

> 春かもめ河口に浪の逆巻けり

  (はるかもめかこうになみのさかまけり)

 

> 路地裏の芥積む舟花は葉に

  (ろじうらのあくたつむふねはなははに)

 

> はつなつの汐満ちきたり芭蕉像

  (はつなつのしおみちきたりばしょうぞう)

 

> 朱夏の雨何処ぞで逢ひし阿修羅かな

 (しゅかのあめどこぞであいしあしゅらかな)

 

> 下町の火消纏や立葵

  (したまちのひけしまといやたちあおい)

 

> 青田より出で来る鷺の二つ三つ

  (あおたよりいでくるさぎのふたつみつ)

 

> 打水を了へて子らにもかけてやる

  (うちみずをおえてこらにもかけてやる)

 

> 万緑や人形は眼を開きしまま

  (ばんりょくやにんぎょうはめをあきしまま)

 

> 蝉時雨古りて綿ばむ紬糸

  (せみしぐれふりてわたばむつむぎいと)

 

> 八重洲の鐘や板前の夕涼み

  (やえすのかねやいたまえのゆうすずみ)

 

> 西瓜番小石飛び来る夜の小屋

  (すいかばんこいしとびくるよるのこや)

 

> 貝合の尼門跡の桔梗かな

  (かいあわせのあまもんぜきのききょうかな)

 

> すれ違ひざま秋刀魚零るる埠頭

  (すれちがいざまさんまこぼるるふとう)

 

> 山芋と鯨煮てゐる囲炉裏かな

  (やまいもとくじらにているいろりかな)

 

>この時代は 利根川への橋梁工事、

 鬼怒川の右岸堤防、水門工事(常総市花島町)をしていましたが、

 2016年(昭和27年)6月13日の鬼怒川氾濫の堤防

 決壊はこの工事の500m程上流の左岸(私の工事の反対側)

 国の下館河川事務所の出先や常総土木事務所側、国道357号線側

 現園央道の付近、で大水害に遇いました。左岸工事の補強工事計画が

 遅延していたようですね。

 

>2010年代

 

> 吾輩は爬虫類なり松の内

  (わがはいははちゅうるいなりまつのうち)

 

> 寒雀翔ぶや蛤御門より

  (かんすずめとぶやはまぐりごもんより)

 

> つばくらめ低し隅田の十二橋

  (つばくらめひくしすみだのじゅうにきょう)

 

> 菖蒲湯を焚きて訣れのあることを

  (しょうぶゆをたきてわかれのあることを)

> 早乙女の水を濁して植ゑにけり

  (さおとめのみずをにごしてうえにけり)

 

> 青嵐修司詩集をポケットに

  (あおあらししゅうじししゅうをポケットに)

 

> 鶴嘴の飛び散る火花百合の花

  (つるはしのとびちるひばなゆりのはな)

 

> 木簡乃以呂波仁保部止梅雨晴間

  (もっかんのいろはにほへとつゆはれま)

 

> 地のこゑの高(恭造田水湧く

  (じのこえのたかぎきょうぞうたみずわく)

 ※弘前市の眼科医、方言詩人。

 

> 山の子の山動かして泳ぐかな

  (やまのこのやまうごかしておよぐかな)

 

> 朝の蝉洗ひ晒しのシャツを着る

  (あさのせみあらいさらしのシャツをきる)

 

> いつまでも父の影ある大暑かな

  (いつまでもちちのかげあるだいしょかな)

 

> 竹筏曳く一艘や夏燕

  (たけいかだひくいっそうやなつつばめ)

 

> 地球儀の海に漕ぎ出す冷し酒

  (ちきゅうぎのうみにこぎだすひやしさけ)

 

> 嫁ぎゆく娘と旅やアロハシャツ

  (とつぎゆくむすめとたびやアロハシャツ)

 

> 爽やかや誘導灯に浮かぶ闇

  (さわやかやゆうどうとうにうかぶやみ)

 

> 露けしや月の裏側見て還る

  (つゆけしやつきのうらがわみてかえる)

 

>  陸奥のむかさり絵馬や秋の虹

  (みちのくのむかさりえまやあきのにじ)

 

> もう鮭のかたち留めず流れゆく

  (もうさけのかたちとどめずながれゆく)

 

> いま語りはじめたばかり後の月

  (いまかたりはじめたばかりのちの月)

 

> グッド・バイの代わりに投げし林檎かな

  (グッド・バイのかわりになげしりんごかな)

 ※グッド・バイは太宰治の最後の未完の小説。

 

> 鼻先に航空母艦大根引く

  (はなさきにこうくうぼかんだいこひく)

 

> 神々の意とは異なる海鼠かな

  (かみがみのいとはことなるなまこかな)

 

 

>2011年代

> 初春や海を真横に一輪車

  (はつはるやうみをまよこにいちりんしゃ)

 

> 縄文人の骨の飢餓線冬銀河

  (ぼうもんじんのほねのきがせんふゆぎんが)

 

 

>そして 2011年3月11日14時46分 時計は止まったままだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

| | コメント (0)

句集「福島」2007年代の句より

>陸奥新報社に句集「福島」の掲載用として

 

 俳人木村詩織(旧姓知北直美さん、大学時代の音楽仲間)

 

 によりインタビューが5月12日仙台であったが、

 

 原稿を新聞社へ提出したとの連絡があった。

 

 6月の掲載らしいが。 楽しみである。

 

 

>さてその句集「福島」2007年代より

 

  突堤に四股踏んでゐる松の内

  (とっていにしこふんでいるまつのうち)

 

  家並の格子戸古るる淑気かな

  (いえなみのこうしどふるるしゅくきかな)

 

  大仏の掌開く梅の花

  (だいぶつのてのひらひらくうめのはな)

 

  水甕の上とや蝶の能舞台

  (みずがめのうえとやちょうののうぶたい)

 

  洞窟のマリア観音春灯し

  (どうくつのまりあかんおんはるともし)

 

  底本の仮名の表記や紫木蓮

  (そこぼんのかなのひょうきやしもくれん)

 

  小手毬や赤十字社の従軍歌

  (こてまりやせきじゅうじしゃのじゅうぐんか)

 

  舟はバナナの容して梅雨晴間

  (ふねはばななのかたちしてつゆはれま)

 

  縁日の香具師の口上夏蓬

  (えんにちのやしのこうじょうなつよもぎ)

 

  山の宿蛾の取りに来るランプの灯

  (やまのやどがのとりにくるらんぷのひ)

 

  競市の牛の尻搏つ蚊遣草

  (せりいちのうしのしりうつかやりくさ)

 

  手籠から酢の泡立つや晩夏光

  (てかごからすのあわだつやばんかこう)

 

  阿弖流為の馬の眼に降る桐一葉

  (あてるいのうまのめにふるきりひとは)

 

  (すこしでるけもののせいやもちのつき)

 

  海原を洗ひあげたり夕月夜

  (うなばらをあらいあげたりゆうづきよ)

 

  玲瓏や灯火親しむ大言海

  (れいろうやとうかしたしむだいげんかい)

 

  真青なる空より出でて雪蛍

  (まさおなるそらよりいでてゆきほたる)

 

  松の雪文字の小さき大辞典

  (まつにゆきもじのちいさきだいじてん)

 

  人生の美しき時黒セーター

  (じんせいのうつくしきときくろせーたー)

 

  地吹雪の止みて万灯籠の月

  (じふぶきのやみてまんとうろうのつき)

 

   孑孑やポケットティッシュまた溜る

   (ぼうふらやポケットティッシュまたたまる)

 

  角燈を提げて出水の泥鰌採

  (かんてらをさげてでみずのどじょうとり)

 

  睡蓮の葉の反りかへる夕べかな

  (すいれんのはのそりかえるゆうべかな)

 

  太陽の匂ひしてをり花カンナ

  (たいようのにおいしておりはなかんな)

 

  大地震の二度来る夜のすいつちよん

  (おおないのにどくるよるのすいっちょん)

 

  土偶みな大きな尻や豊の秋

  (どぐうみなおおきなしりやとよのあき)

 

  露けしや鉄塔の上の明の星

  (つゆけしやてっとうのえのあけのほし)

 

  山里や野積の藁に日のうねり

  (やまざとやのずみのわらにひのうねり)

 

  凩やぶつきらぼうの貌に遇ふ

  (こがらしやぶっきらぼうのかおにあう)

 

さて、次回は2009年代です。

 

 

 

 

 

  

 

 

 

 

 

                 

 

 

  

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  水甕

  

 

 

 

 

 

 

 

 

 

| | コメント (0)

青森市の田中恵美子さんより 句集の講評のお手紙あり

>私の音楽仲間の木村詩織さんから句集「福島」の紹介があったとの事。

 

>赤とんぼ空に無数の穴あけて

 

 雪はみな闇より生るる月の山

 

 風花や沈黙の空語りだす

 

 心なしか空開いてゐる夕立前(ゆだちまえ)

 

 水甕の上とや蝶の能舞台

 

 冬銀河鎮かに海へ降りてくる

 

     詩情豊かな美しいです。

 

>十八歳の己に出会ふ修司の忌

 

 甚平着て晩年といふ軽さかな

 

     ひとりの中に同時に存在する 十八歳と晩年

 

>迪花(みちか)生まれ来て海の底まで春

 

 春の日や生きるものへと水動く

 

      春のエネルギー 命の源 ダイナミズム

 

>夜までに少し闇のある虫のこゑ

 

 奥山の樹になるまでの日向ぼこ

 

 山里や野積の藁に日のうねり

 

          瞬間の切り方が心象派

 

 

>海のうねりは子守唄牡蠣育つ

 

 俎に海を吐き出す海鼠かな

 

 海鞘喰へば微かに動く蒙古斑

 

          海の存在感

 

>立春の児の歩き出す地球かな

 

 逃げる子を叩くも楽し天花粉(てんかふん)

 

 打水を了へて子等にもかかけてやる

 

           子供への愛情

 

>封鎖してジャングルジムは灼けてゐる

 

 時雨るるや被曝ノートにある余白

 

 春恨や海迫りくる逃げて逃げて

 

 決壊の溜池ぬらす蛍かな

 

 秋天や福島ざぶざぶ洗ひたし

 

 原発事故へ遭へどなほ鮭遡上

 

 里神楽海に呑まれし魂も来よ

 

 除染後の墓地に冬日の移りけり

 

 一行の詩の祈りや冬の星

 

 去年今年消してはならぬ村ひとつ

 

 白鳥帰るいまだ不明者ゐる海を

 

 種芋を歩幅に合はせ植ゑにけり

 

      あの時、そして時を経て 地球に住まわせて貰っている人間は

      思い上がらづ、自然への畏怖の念を忘れずに、

 

 

>読んで頂き、ありがとうございました。

 

 

 

 

| | コメント (0)

«句集「福島」2006代後半